タイの労務管理について
タイの試用期間/病気休暇はどうなる?
試用期間とは
試用期間とは、会社に就職する前に勤務パフォーマンスや能力を評価するものである。日本では、インターンシップのような概念に近いと言えるでしょう。
タイの試用期間は労働法(労働法関連のまとめ記事はこちらから)で、採用した労働者に対して最大119日以内を試用期間と定められています。試用期間に関して以下が、簡潔な解釈です。
・試用期間以内であれば解雇に際して会社は解雇補償金を支払う必要がない
・試用期間以内であれば使用者の裁量、パフォーマンスに満足がいかなければ解雇可能
しかし、注意しなければならないのが期間内であったとしても、解雇あるいは退職する場合は雇用主と労働者の双方が1ヶ月前に通告する義務があります。 試用期間内であっても解雇については労働法に定められた手順に従う必要があります。(2給与日前の通告が義務)
試用期間中の労働者の解雇
120期間中の勤続者には解雇補償金の支払いが必要であるが、試用期間以内(119日以内)であれば、解雇しても不当な解雇とはならない。
労働者保護法118条に「119以内の勤続であれば解雇補償金は必要ない」と定めてるため解雇補償金が必要ないということになる。以下、解雇手当に関するまとめ表である。
【解雇補償金まとめ表】
《解雇手当》
事業者は労働者に対し1給与期間前に通告する必要がある。即時解雇の場合は、事業者は解雇手当の他に雇用報酬を支払う義務がある。労働者に非がない場合すべてである。保護法118条2本条では、解雇とは下記に定義づけられる。雇用契約終了、または他の理由を問わず、使用者が労働者を以後働かせず、賃金を支払わない行為を指し。使用者が事業を継続することができないため労働者が労働せず、かつ賃金を受け取らない場合を含む。
勤務期間 | 手当金額 |
---|---|
120日未満 | 解雇補償金は必要ない |
120日以上1年未満 | 退職時の賃金の30日分 |
1年以上3年未満 | 退職時の賃金の90日分 |
3年以上6年未満 | 退職時の賃金の180日分 |
6年以上10年未満 | 退職時の賃金の240日分 |
10年以上 | 退職時の賃金の240日分 |
試用期間中の病気休暇は??給料がもらえる?もらえない?
ここで一つ疑問にあがるのが、もし入社前の試用期間中に労働者が病気で休んでしまったケースはどうなるのだろうか。
例えば、労働者が事実病気であり一級医師の診断書を持ちあわせ、会社の業務以外の不可抗力で病にかかってしまった場合。結論、労働者保護法57条により、年間30日までの有休が適応される。
労働法の解釈では、同法同条の中には「労働者」という文言が使われているが、特定の場合を除外するという記述がなされていない。つまり、試用期間であったとしても従業員がやむを得ず病気にかかってしまった場合は、有休の病欠が認められるということになる。
まとめ
試用期間中では、労働法が適応されるのかされないのか、またやむを得ない場合の病気の扱いについて記述しました。
ぜひ、試用期間中のケースについて頭に入れておきましょう。