タイの労務管理について

タイの休暇の種類を徹底網羅!日本との違いを理解しよう

【タイの休暇とは】日本との違いに言及

はじめに

今回は、タイの特別休暇について書きます。とりわけ、日本との違いについて着目し、タイで働く際に困ることがないように知識をつけておきましょう。

~休暇に関連する法、基本知識(週何回休み、休憩時間は?)~
休暇に関しては、労働者保護法(1998年)に以下のように規定されています。

  1. (1) 1年間継続して勤務した従業員は1年当たり6日以上の年次有給休暇を取ることができる(第30条、56条)。年次有給休暇の日数については、労使合意により決定され、在タイ日系企業は、就業規則の中に年7日を有給休暇として規定しているところが多い。
  2. (2) 勤務期間が1年未満の従業員の場合は、使用者は従業員の勤務日数に基づく比例計算により年次有給休暇を決定することができる(第30条)。
  3. (3) 従業員は疾病の状況に応じた医療(病気)休暇を取ることができる(第32条、57条)。ただし、有給の医療休暇の年間日数は30日以内(第57条)。
  4. (4) 医師が定めた期間で、避妊手術および類似処置のための有給休暇(不妊手術休暇)を取ることができる(第33条、第57条)。
  5. (5) 雇用契約で認められた自己都合のための休暇(用事休暇)を取ることができる(第34条)。ただし、通常は就業規則の定めにより無給。
  6. (6) 規定による教育および能力開発のための休暇。通常は就業規則の定めにより無給。
  7. (7) 軍事訓練召集(軍務/兵役休暇):有給休暇は年間最長60日間まで。
  8. (8) 産休は年間90日間(休日を含む)。そのうちの45日間は有給(使用者責任)。ただし、残り45日分も、社会保障基金により原則として所得保障がある。
  9. (9) 18歳未満の年少労働者は、労働省が承認した教育機関などでの会議、セミナー、研修に参加する権利があり、そのための休暇については1年に30日を超えない期間については労働日の賃金と同額を支払わなければならない。

【日本とタイの休暇に関する労働法比較】

日本 タイ
労働時間 ・1日8時間
・1週間40時間
・1日8時間
・1週間48時間
休憩時間 連続して6時間を超えて労働する場合には45分以上、8時間を超える場合には60分以上の休憩 連続して5時間以上労働する場合には1時間以上の休憩
休日 週1日以上の休日 週1日以上の休日
※日給制及び出来高制の場合には、週休日は無給

特別休暇とは

特別休暇とは、法律で定められている休暇とは異なり企業によってことなります。つまり、法定外休暇ということです。

特別休暇の例としてあげられるのは、病気休暇、育児休暇、リフレッシュ休暇といったものがあります。

これらは、会社の従業員の福利厚生として与えられています。
企業の中で特別休暇があることによって、従業員の仕事に対するモチベーションが上がることや、選択肢があることにって心にゆとりがうまれます。

以下、タイでの有名な特別休暇のまとめになります。

《特別休暇まとめ》

・傷病休暇(Sick Leave)
病気を理由に有給で休むことができる休暇。

30日まで有給。法定で認められる3日以上連続して休む場合は一級医師の診断書を必要とする。

・*用事休暇(Business Leave) 改正後
仕事に関連する用事で休みを取る休暇。
例えば、平日でなければ行くことができない役所に赴く際や、平日にやらなければならない用事によってとる休暇。

2019年5月5日の改正により年間3日程度で有給となった

・兵役休暇(Military Leave)
兵役が理由で有給として休む休暇。

年60日まで有給。

・*出産休暇(Maternity Leave) 改正後
出産を理由に休みを取る休暇。

産前後合わせて98日間、45日間まで有給。子ども手当・社会保険からの出産一時金もあり。

・出家休暇(Monkhood Leave)
出家を理由に休みを取る休暇。

法律には定められていないが、タイの一般的な企業では導入している企業が多い。

・避妊手術休暇(Leave for sterilization)
避妊治療を理由に休みを取る休暇。

医師が定めた期間は有休となる。

考察

上記をみると、無給か有給かについては各々違った日数が定められているので、しっかりと知っておく必要があるでしょう。

また、タイでは日本ではないような出家休暇や兵役休暇などがあります。会社によっては無給休暇といったものがあります。これは、無給である代わりに何度でも休んでいいといったものです。日本では、考えられないような働き方ですが、タイ人の方はストレスフリーに働く人が多いです。

有給の回数と合計すると週に1度は休むことが可能です。それが理由で、土曜も出勤の週6勤務にしてしまう会社もあるようです。

タイの祝日・休日2020年(おまけ)
祝日
1月 1日(水) 新暦新年/ワン・ピーマイ(お正月)
2月 9日(日) 万仏祭/マカ・プーチャ  仏教行事の祝日/禁酒
10(日)  振替休日
3月
4月 6日(月) チャックリー記念日  13日(月)ソンクラーン(水かけ祭り、タイ正月) 14(火) (水かけ祭り、タイ正月) 15日(水) (水かけ祭り、タイ正月)
5月 1日(金) レイバーデイ※一般企業のみ休み 4日(月) ワチラーロンコーン国王戴冠記念日 6日(水)ヴィサカブーチャ(仏誕節)-アルコール販売禁止-
6月 3日(水) スティダー王妃誕生日
7月 5日(日) アサラハブーチャ(三宝節) –アルコール販売禁止- 6日(月) カオパンサー (入安居)-アルコール販売禁止- 7日(火) 振替休日 28日(火)
ワチラーロンコーン国王陛下誕生日
8月 12日(水) シリキット王太后誕生日 (母の日)
9月
10月 13日(火) ラマ9世記念日 23(金) チュラローンコーン大王記念日
11月
12月 5日 (土) 国家の日(旧ラマ9世生誕記念日 (父の日) 7日(月) 振替休日 10日(木)  憲法記念日 31日(木) 大晦日

〜祝日ではないが重要日〜
1月25(土) 春節
10月1日(木) オーグパンサー (出安居) -アルコール販売禁止-
11月1日(日) ロイクラトン(灯篭流し祭り)

まとめ

以上で、タイでの特別休暇についてのまとめでした。タイでの働き方の環境を少しでも理解していれば誤解を防げそうですね。
また、タイの祝日もぜひチェックしておきましょう。

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